この記事は次のような情報が提供されます
【提供される情報】
- 個別株投資での成果を向上したいなら「投資で一番大切な20の教え」を一度読むのがオススメ(学べる内容7選は以下)
- インデックス投資をするだけで市場平均のリターンが得られるのに、個別株投資をすするなら「市場平均を越えれないと意味がない」
- 投資で重要なのは「会計学」でも「経済学」でもなく、「心理学」である
- 高いリターンは高リスクを伴うというのは思い込み、高リターンと低リスクは両立しうる
- 投資の達人は高いリターンだけでなく、巨額の損失を出さない能力も卓越している
- 投資は割安になっているものを探して買っていく「相対選択の学問」
- 将来は予想せず、自分の位置の把握に努めるべき
- 良い相場では市場平均程度、むしろ悪い相場で市場平均をこれられるようにポートフォリオを構成すべきである
- 読書も投資。最終的に2,000円(税抜)以上の価値を回収できると思えたら購入するべきじゃない?
- 株式に投資するなら、本にも投資することをオススメします。知識は盗まれなし資産です。先人から学び、巨人の方に乗りましょう。
この記事を書いている『株式投資実践者の株うさぎ』はこんな人です。
本記事を書いているのはこんな人(2024.2.17.更新)
- 2012〜2013年に「うまくやれば早く、楽して稼げそうという理由で株の短期トレードに手を出すも、損して引退。
- 株価が少し上がったら売り、少し下がっても売りで利益はマイナス、手数料だけたくさん払いました。。。
- 2022年に”つみたてNISA”をきっかけに再挑戦を決意。資産運用の本を読み(2023年12月末時点で20冊)、まずは真似するところからインデックス投資と配当株投資を実践
- ゆっくり資産拡大を目指し中(今回は再現性と継続性を重視)
- 【現在の投資実績】
- つみたてNISAでインデックス投資を実践中(2022年開始〜現在)
- 【参考にしている本①】:ジェイソン流お金の増やし方(1,430円)
- 【参考にしている本②】:ほったらかし投資術(869円)
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)がメイン
- 2023年の最終含み損益:+16.07%
- 日本個別株で配当株投資を実践中(2023年開始〜現在)
- 【参考にしている本③】:オートモードで月に18.5万円が入ってくる「高配当」株投資(1,650円)
- 【参考にしている本④】:年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資(1,738円)
- 2023年の受け取り配当金:4,7439 円
- 米国ETF(米国ドル建て)で配当株投資を実践中(2023年開始〜現在)
- 【参考にしている本⑤】:バカでも稼げる 「米国株」高配当投資(1,515円)
- 【参考にしている本⑥】:本気でFIREをめざす人のための資産形成入門(1,540円)
- 2023年の受け取り配当金:$146.52
伝説の投資家 ウォーレン・バフェットが気に入り、バークシャー・ハザウェイの株主総会で配布した名著『投資で一番大切な20の教え』を読みました。タイトルからノウハウ本かな?と思っていたのですが、全く違いました!書いてあるのは株式投資の本質(バリュー投資とリスクコントロール)と相場との向き合い方でした。そのポイントを本記事で紹介します。
紹介する本はこちら↓
タイトル: 投資で一番大切な20の教え 賢い投資家になるための隠れた常識
著者: ハワード・マークス
ページ数: 316ページ
価格: 2,200円
発売日: 2012/10/23
「投資で一番大切な20の教え」とは?
どんな本なの?
【投資で一番大切な20の教え】
本書は、私の投資哲学の声明文である
私の狙いは、読者がこれまでに触れたためしのない投資に関するアイデアや思考方法を伝えることにある
投資を成功させるには、数多くの独立した要素に同時に思慮深く注意を向ける必要がある
一つひとつの「一番大切なこと」が、強固な壁となるべきものを構成するレンガなのであり、どれが欠けても困るのだ
投資で一番大切な20の教え(ハワード・マークス)
まず始めに伝えたいのが『投資で一番大切な20の教え』はハウツー本ではありません。なので、投資を確実に成功に導くやり方などは載っていません。
代わりに、投資家が適切な判断を下し、そしてそこかしこに待ち受けている落とし穴を避けるのに役立つであろう思考方法が紹介されています。
対象は個別株投資です。インデックス投資でほったらかし投資する方には参考になる部分は少ないかもしれません。
私もこれまで投資関連の本は何冊も読んできました。その中でも本書は確実にベスト5に入る名著だと思います。長期で投資を継続し、成果を出し続けるにはどんなことに気を配るべきなのか。これは経験者にしか分からない真のノウハウなのです。
20の教えとは?
本書の内容は次のとおり。
【目次】
1 二次的思考をめぐらす
2 市場の効率性(とその限界)を理解する
3 バリュー投資を行う
4 価格と価値の関係性に目を向ける
5 リスクを理解する
6 リスクを認識する
7 リスクをコントロールする
8 サイクルに注意を向ける
9 振り子を意識する
10 心理的要因の悪影響をかわす
11 逆張りをする
12 掘り出し物を見つける
13 我慢強くチャンスを待つ
14 無知を知る
15 今どこにいるのかを感じとる
16 運の影響力を認識する
17 ディフェンシブに投資する
18 落とし穴を避ける
19 付加価値を生み出す
20 すべての極意をまとめて実践する
個別投資の意味、バリュー投資とは、リスク管理、市場サイクルなど内容は多岐にわたります。あなたが長期で資産形成に成功したいなら目からウロコの内容が多くあり、必ず1つ以上の学びがあると思います。
本記事ではこの中からハイライトした心に刺さった内容7選を紹介させていただきます。
読書で知識にも投資しよう
私は読書で知識にも投資するようにしています。ニュートンの言葉に「私が遠くを見ることができたのは、巨人たちの肩に乗っていたからです。」 というものがあります。”自分が見てきたものは、過去から続く偉大な先人たちの蓄積の上に立たなければ見えるものではなかった”という意味だとされます。
読書は先人の知識・経験をたった数千円で獲得できてしまう非常に効率の高い投資だと思っています。実際に本書を買って、忘れてはいけないと思う部分は蛍光ペンでマークしています。
(本に蛍光ペンでマークしている様子)
本は使ってナンボ。大事にとっておいてもしょうがない。どんどん書き込んでいきましょう。そして、一度読んで終わりにするのももったいない。定期的に読み返すようにしましょう。マークしておけばその部分だけ読み直すこともできて便利です。
知識は盗まれない資産です。あなたも本書を買って、手元に読み返せるようにしておきませんか?
心に刺さった内容7選
本書を読んで私の心に刺さった内容を7つ紹介させていただきます。
平均を上回るためには「二次的な思考」が欠かせない
投資をめざす者は、金融や会計の講習を受けたり、さまざまな分野の本を読んだり、運がよければ投資手法に造詣が深い人から指南を受けたりすることができる。しかし、つねに平均を上回る成果をあげるのに必要なすぐれた洞察力や直感、価値観、心理感覚を会得できる者は一握りに過ぎない。そうなるためには、二次的な思考が欠かせないのである。
投資で一番大切な20の教え(ハワード・マークス)
私たちは投資で何を達成しようとしているのでしょうか? 将来に向けた資産形成? 1日でも早く億万長者になること?
平均的なリターンなら、あらゆる資産を少しずつ買うインデックス・ファンドに投資するだけで十分。これで低コストで「マーケット・リターン」を得られ、管理の手間も少ないです。
だから、自分で投資先を選ぶなら常に「平均をアウトパフォーム」できるか?と考える必要があります。いろいろ行動して市場平均以下なら時間もお金ももったいなかった、となってしまいます。
では市場を上回るためにどうするか? 著者は「他の人よりも優れた、より強力かつ高次元の思考を身につける必要がある」と言っています。つまり投資で成功するのに物事を正しく見極めることが必要条件だが、それだけでは不十分で周りと違う思考方法も合わせ持たないといけないということ。
例えば、
「これは良い企業だから、株を買おう」というのが一次的思考。一方、「これは良い企業だ。ただ、周りは偉大な企業と見ているが、実際にはそうでもない。この株は過大評価されていて割高だから売ろう」というのが二次的思考である。
投資で一番大切な20の教え(ハワード・マークス)
一次的思考は単純で底が浅く、誰にでもきること。一方で二次的思考は奥が深く、複雑です。脳にかかる負担も大きいです。根本的なことですが、自分で投資するってそういうことだよなと思った部分です。
マーケット・リターンを超えることが個人で投資する意味。これは忘れないようにし、自分なりの仮説構築力を高めていかないといけないなと気づかされました。
投資の世界で最も重要な学問は「心理学」
投資の世界で最も重要な学問は会計学でも経済学でもなく、心理学である。カギとなるのは、いま現在、投資をしたがっている人としたがっていない人について知ることだ。将来の価格変動は、投資したいと思う人がこの先に増えるか減るかで決まる。
投資で一番大切な20の教え(ハワード・マークス)
こちらも非常に重要で、習得するのがきわめて難しい分野の話だと思います。会計学や経済学の知識は必要条件だが、それだけでは不十分。二次的思考の話にも通じます。
人は価格が上がっているものを買いたがらなくなるのに、投資ではしばしば逆の行動をとりがちです。日用品や食料の価格が上がってきたら買い控えるのに、株や不動産などの価格が上がり続けると乗り遅れまいとどんなに高値でも買ってしまうことがあります。この先がバブルですね。
過去にも17世紀のオランダでチューリップが投機対象となり、バブルになったことがあります。欲を燃やし、どんな価格でも自分よりさらに高値で欲しがる者が現れるはずだと皆が考えた結果です。バブルの渦中では「どんな価格でも」魅力的となってしまうのが問題です。
どんなに価値があっても、人気投票によって価格とのバランスが失われているのなら、それは投資すべき対象にはならないと肝に銘じておきたいと思います。
適正な価格で買うことができているか?を自問するクセをつけたいと思います
高いリターンと低リスクは両立しうる
理論では、高リターンは高リスクに付随することになっている。前者は後者の見返りとして存在するとの理由からである。だが実利主義のバリュー投資家は、まったく逆の考え方をする。本質的価値を大幅に下回る価格で資産を買えば、高リターンと低リスクは両立しうるというのだ。同様に、高すぎる価格で買うことは、低リターン・高リスクを意味する。
投資で一番大切な20の教え(ハワード・マークス)
基本的には高リターンは高リスクにおける代償であることに間違いはないでしょう。
ただ、どのリスクレベルにあってもその本質的価値を下回る価格で購入することができれば、とっているリスク以上のリターンを受け取ることができる。これがバリュー投資家の取るべき行動だと説明されています。
ハイテク関連、今ならAI関連銘柄が注目されて、価格が上昇しています。このような銘柄は今からでは多めのリスクをとる可能性があります。だからこのような状況においても、決して大きく値を上げず、けれども確実に収益を伸ばしている地味な銘柄に継続投資していこうと強く思い直す内容でした。
私は注目株と言われるキラキラ銘柄ではなく、保険や携帯キャリア、発電など昔からあり、いつの時代でも必要とされるシワシワ銘柄でポートフォリオを組むようにしています。また、次に大暴落が起こった時にはこれらの銘柄を大きく買いませるように心の準備もしています。
投資の達人は巨額の損失なく何十年も安定した運用を記録
投資の達人として知られるウォーレン・バフェット、ピーター・リンチ、ビル・ミラー、ジュリアン・ロバートソンらについて考えてみよう。みな高いリターンをあげているだけでなく、巨額の損失を出すことなく何十年も安定した成績を記録している点で卓越している。それぞれ1〜2年ほどの低迷期はあったかもしれないが、リターンの獲得だけでなく、リスクのコントロールにおいても、概してすぐれた手腕を発揮してきたのだ。
投資で一番大切な20の教え(ハワード・マークス)
すぐれた投資家とは何か?について書かれた部分です。
本書では「すぐれた投資家」とはリターンを生み出す能力と少なくとも同じくらい、リスクをコントロールする能力を持っていると書かれています。
良い運用とは何か。1つはベンチマークと同水準のリスクをとって、それよりも高い収益率を達成できる場合。もう1つはベンチマークよりも低いリスクをとってベンチマークと同水準のリターンを達成できる場合。著書は後者こそすぐれた運用、優れた投資家であるとしています。
高いリスクをとっても良い相場ならそれが顕在化せず、高いリターンを示すことがあるでしょう。そして、それが輝いて見えるでしょう。でも、相場の大暴落は突然始まります。その時に先のような投資家は対応できるのか。
そのような相場の悪い時期でも切り抜けられるよう、ポートフォリオづくりはリターンばかり狙わず、リスクコントロールにも意識を向けていきたいと思います。
高いリターンと低リスクが両立できる。市場に残れる投資家になれるように、ディフェンシブなポートフォリオづくりを目指していきたいと思います。
投資は「相対選択の学問」
これはシドニー・コトルが言った「投資は相対選択の学問」という言葉を著者が紹介しています。
この言葉には2つの重要なメッセージが込められています。1つ目は、投資プロセスは厳格で規則正しくなければいけない。2つ目は、投資プロセスは必然的に相対的なものとなる。
価格が高いのか低いのか、そのリターンは高いのか低いのかを比較しつづけ、その中から最良となるものを選択していく。この作業の繰り返しが投資という活動なのだと。
この「相対選択の学問」という言葉が投資とは何をする活動かをシンプルに表していて気に入りました。
優良な資産を見つけるのではなく、掘り出し物を探すが投資。何を買うかではなく、いくらで買うかが問題ということですね。心に留めておきたいと思います。
サイクルのどの位置にいるか把握する
もう1つ考えられる答えがあり、これが圧倒的に正しいものだと私は考えている。それはただ単に自分が今サイクルのどの位置に立っているのか、そして、どのような行動を起こすべきなのかを突きとめようとする、である。
投資で一番大切な20の教え(ハワード・マークス)
これは私たちには投資サイクルを予想するのは難しいが何かしら対処を考えなくはならない。その場合どういった選択肢があるかという内容です。
1つ目は予測不可能と受け入れるのではなく、よりいっそう未来を予想しようと力を注ぐべきという考え方。2つ目が未来は知り得ないと受け入れ、手のつくしようがないとしてサイクルをひたすら無視する方法である。しかし、著者はそれ以外に上記のような答えがあるとしています。
振り子の振動を正確に予想し、つねに正しい方向に動くことができたら申し分ないが、市場にそれを求めるのは非現実的である。それならば①相場が天井もしくは谷底に達するのに備えて警戒を怠らない、②変化に応じて自分に行動を調整する、そして最も重要なのが③天井もしくは谷底で多くの投資家を完全にまちがった行動へと駆り立てる群衆の振る舞いに従わないということになる。
将来を予想せず、かといって無視するのでもなく、自分の置かれている立場を注意深く洞察し、備え、行動できていればそれで十分ということなのでしょう。勝手にあれこれと考えず、数字で現状を把握するクセをつけたいところです。
将来を勝手に予想するのではなく、金利や失業率などの数字から相場サイクルを考え、その後の起こりうるいくつかのシナリオに対応するためのプランを持つことの方が重要ということだと思います。
良い相場では指数と同等で十分、悪い相場こそアウトパフォームすべき
オークツリーでは、はっきりとディフェンシブ重視のアプローチを採用している。相場が良い時期には、我々は指数と同程度のパフォーマンスがあげられれば十分だと考えている。良い時期には平均的なパフォーマンスでもかなり利益が出るため、平均的な成績しかあげられないという理由で解雇されるマネージャーも多くはないだろう。相場が悪い時期こそアウトパフォームすることが不可欠という考えから、オークツリーのポートフォリオはそうした時期に平均を上回る成績があげられるように組まれている。良い時期に平均的な成績をあげ、悪い時期にアウトパフォームすることができれば、サイクル全体を通して見た場合に、平均を下回るボラティリティで平均を超える成績が達成されているのは言うまでもない。
投資で一番大切な20の教え(ハワード・マークス)
この内容は本書の中で一番考えさせられた内容です。
これまでは良い相場でこそ成果が出ると考えていました。実際に良いリターンは出るでしょうが、それが市場平均以上になるかというと微妙なところです。しかし、下落相場ではリスク管理でパフォーマンスの下げ幅は抑えられ、市場平均をアウトパフォームする可能性があるのです。そして、その中で割安になった株式を買い増すことができれば相場が回復した時にさらに大きなリターンを生み出すことになるでしょう。まさに逆の発想です。
これまで個人的な投資行動をとるなら市場平均を越えなければならないという発想を持っていなかったのも原因ですが、成功する投資とはこういうことなのだと投資方針を確立するきっかけになった内容です。
好調な相場ならアクティブに投資せず、むしろインデックス投資だけ継続するくらいで良いのだと考えが変わりました。その中で個別株に手を出すなら、割安であることことを確認する。もしくは相場が悪くなるまで資産は待機させておけばいいと投資方針がまとめるきっかけとなりました。
まとめ
本記事のポイントをおさらいします
【提供される情報】
- 個別株投資での成果を向上したいなら「投資で一番大切な20の教え」を一度読むのがオススメ(学べる内容7選は以下)
- インデックス投資をするだけで市場平均のリターンが得られるのに、個別株投資をすするなら「市場平均を越えれないと意味がない」
- 投資で重要なのは「会計学」でも「経済学」でもなく、「心理学」である
- 高いリターンは高リスクを伴うというのは思い込み、高リターンと低リスクは両立しうる
- 投資の達人は高いリターンだけでなく、巨額の損失を出さない能力も卓越している
- 投資は割安になっているものを探して買っていく「相対選択の学問」
- 将来は予想せず、自分の位置の把握に努めるべき
- 良い相場では市場平均程度、むしろ悪い相場で市場平均をこれられるようにポートフォリオを構成すべきである
- 読書も投資。最終的に2,000円(税抜)以上の価値を回収できると思えたら購入するべきじゃない?
- 株式に投資するなら、本にも投資することをオススメします。知識は廃れない資産です。巨人の方に乗りましょう。
いかがだったでしょうか?
個別株投資でインデックス投資を超えるリターンを目指すのであれば、「投資で一番大切な20の教え」は一度は読んでみましょう。また、読書も投資。盗まれない知識という資産を積み上げていくことオススメします。思い立ったらすぐ行動。早速、読書してみてください!!
*実際の投資は自己判断でよろしくお願いいたします。
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