この記事は次のような方にオススメです!
【この記事を読んでみる価値がある人】
- FIREに興味を持ち、投資を始めてみようと考えている人
- 円安・インフレにどう対応したらいいのか知りたい人
- 増やした資産をどのように取り崩すしていたらいいか(=出口戦略)アドバイスが欲しい人
この記事を書いている『株式投資実践者の株うさぎ』はこんな人です。
本記事を書いているのはこんな人(2024.2.17.更新)
- 2012〜2013年に「うまくやれば早く、楽して稼げそうという理由で株の短期トレードに手を出すも、損して引退。
- 株価が少し上がったら売り、少し下がっても売りで利益はマイナス、手数料だけたくさん払いました。。。
- 2022年に”つみたてNISA”をきっかけに再挑戦を決意。資産運用の本を読み(2023年12月末時点で20冊)、まずは真似するところからインデックス投資と配当株投資を実践
- ゆっくり資産拡大を目指し中(今回は再現性と継続性を重視)
- 【現在の投資実績】
- つみたてNISAでインデックス投資を実践中(2022年開始〜現在)
- 【参考にしている本①】:ジェイソン流お金の増やし方(1,430円)
- 【参考にしている本②】:ほったらかし投資術(869円)
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)がメイン
- 2023年の最終含み損益:+16.07%
- 日本個別株で配当株投資を実践中(2023年開始〜現在)
- 【参考にしている本③】:オートモードで月に18.5万円が入ってくる「高配当」株投資(1,650円)
- 【参考にしている本④】:年間100万円の配当金が入ってくる最高の株式投資(1,738円)
- 2023年の受け取り配当金:4,7439 円
- 米国ETF(米国ドル建て)で配当株投資を実践中(2023年開始〜現在)
- 【参考にしている本⑤】:バカでも稼げる 「米国株」高配当投資(1,515円)
- 【参考にしている本⑥】:本気でFIREをめざす人のための資産形成入門(1,540円)
- 2023年の受け取り配当金:$146.52
FIRE生活に憧れる私が「シン」の部分に惹かれて読んだ穂高 唯希さんの著書『#シンFIRE論』のポイントをまとめて紹介します。
紹介する本はこちら↓
タイトル: 経済・精神の自由を手に入れる主体的思考法 #シンFIRE論
著者: 穂高 唯希
ページ数: 400ページ
価格: 1,980円
発売日: 2023/2/25
↓たくさん読書したい方はKindle Unlimitedへの入会がおすすめ
*穂高 唯希さんとは
ブログ『三菱サラリーマンが株式投資でセミリタイアを目指してみた』を運営。幼少期に、その後の人生にかかわる死生観と金銭感を得る。14歳で金融に興味を持ち、慶應義塾大学在学中に北京大学に留学、経済学を学ぶ。給与の8割を高配当株・連続増配株に投資し、金融資産約7,000万円を達成。月平均20万円超の配当収入を得られる仕組みを形成。30歳で退職しセミリタイア、FIREを達成。日本版FIREムーブメントのの第一人者として新聞・TVなど多数メディアに取り上げられる。会社に縛られない生き方や、社会に貢献する公益投資など、新しい人生観を提唱。著書に『本気でFIREをめざす人のための資産形成入門』。
経済・精神の自由を手に入れる主体的思考法 #シンFIRE論(穂高 唯希)
株式投資実践者である私が考える、この本から学べるポイントは次の3つです。
【本書の3つのポイント】
- 長期的に続けやすいストレスフリー投資をやろう!
- ネット証券で毎月自動の「定期つみたて投資」を設定してストレスフリーで投資を継続することを考えよう
- 配当金が欲しい人→ETF、資産拡大重視の人→投資信託 でOK!
- 投資に期待しすぎない(投資家が受け取る株式投資の収益率は経済成長と同等またはプラスαとなる平均3〜7%程度になる)
- 円安・インフレに備えて主体的に取るべき行動とは?
- 円安に備えて①ゴールドの購入、②預金やMMF(マーケット・マネー・ファンド)の利用を検討しよう
- 米国株の将来に成長が期待するなら、タイミングを考えずに素直に「つみたて投資」
- 外貨建て資産を保有していれば、円安時にそれらを部分的にでも円に換えて為替差益を確保するのも一案
- 資産運用の出口戦略とは?
- 十分に資産拡大し、目標を達成したのであれば、投資信託やETFに切り替えて管理をシンプルにしよう
- 取り崩す方法には「定額法」と「定率法」の2種類の方法がある
本書は日本で初めてFIRE本を出版された穂高 唯希さんが解説する投資の極意を学んでいきましょう!
長期的に続けやすいストレスフリー投資をやろう!
著者は投資について次のように書いています。
投資は、精神的に心地よく継続できるかどうかが大切なポイントだと私は考えてきました。なぜなら、過去の傾向として「投資期間が長くなるほど、収益がプラスに収れんする」特徴があるからです
経済・精神の自由を手に入れる主体的思考法 #シンFIRE論(穂高 唯希)
株式投資は歴史的に見て時間軸を長くとることでプラスになる可能性が高いです。
だとしたら次に「長く続けるにはどうしたらいいか?」と考える必要があります。この答えは心地よいこと、つまり『ストレスフリー」であることです。
「株価の上がり下がりに気を揉んでしまう」
「値動きが気になってぐっすり眠れない」
このような状況をずっと続けるのは不可能です。だから継続できる『心地よい』と思える、心がザワザワしない仕組みを構築することが大切なのです。では心地よい投資活動にするためにはどうするべきか?
これから順番に解説していきます!
「定期つみたて」で機械的にストレスフリー
投資は大きく分けると定期的にコツコツ買っていく「定期つみたて」とまとめて購入する「一括投資」の2つに分けることができます。
情報によっては「一括投資」が投資効率が高く、一括投資すべきと言い切るようなものもあります。
歴史的なデータで見るとこの主張はおおむね正しいです。しかし、ここで考えて欲しいのは「ストレスフリー」であるかどうかです。
買った直後にリーマンショックやコロナショックのようなことが起これば暫くの間マイナスになることも考えられるし、そう考えると自信がないかも。
「一括投資」は右肩上がりの市場であれば、時間が経つほど価格が上がっていくので早く安い時に買っておけという論理です。しかし、実際の市場は上げ下げを繰り返しながら成長して行きます。
そして、時にはコロナショックのように本業のビジネスモデルが優れていても、株価が大きく暴落するようなことが10年おきくらいに発生するのです。
そしたらいきなり大きくマイナス、それがしばらく続く可能性もあります。
これに耐えられるなと思えたら十分なストレス耐性がある強心臓の持ち主かもしれません。そんな人であれば「一括投資」でもいいのかもしれません。私はメンタルが弱いので「定期つみたて投資」を実践しています。
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「定期つみたて投資」ならよくも悪くも買付価格・購入タイミングが分散され、平準化された価格になりますし、大暴落時も「平均購入価格を下げることができている」というメリットもあり心理的に継続しやすいのです。
今はネット証券であれば毎月自動で「定期つみたて投資」する設定が可能です。ここまで完全に自動化してしまうのがオススメです。
配当金が欲しい人→ETF、資産拡大重視の人→投資信託 でOK!
著者がオススメする投資対象は株式、その中でもETFと投資信託です。
これらはたくさんの企業の株式の詰め合わせパックなので、1つ買うだけで数十〜数百の企業少しずつ買ったのと同じ効果が得られ、簡単に分散投資が可能です。
1社の株だけ購入していたらそこが倒産したり不調になったら成績が大きく低下するため、少しずつ分散して購入する考えはとても大切です。
これが1つ買うだけで自動でできるのでこれまた管理面での「ストレスフリー」になります
ETFと投資信託に細かな違いは下表の通りです。
ETF | 投資信託 | |
分配金 | 出る | 出る/出ない |
分配金に対する課税 | あり | 先送りできる (無配型の場合) |
出口戦略 | 1.元本を取り崩さず、 分配金を受け取る 2.分配金+取り崩し | 手動または自動で 取り崩す |
購入通貨 | 米ドル(NY上場) 日本円(東証上場) | 日本円 |
主な商品 (米国株) | ・VTI,VOO(NY上場) ・iシェアーズS&P500 米国株ETF(東証上場) | ・楽天・全米株式 インデックスファンド ・eMAXIS Slim S&P500 |
(本書から引用して作成)
ETFは定期的に配当金としてお金を受け取ることができるので楽しく投資が継続しやすいというメリットがあります。
ただ配当金を出した時点で税金がかかってしまうので、再度投資するにしても税引き後の金額になってしまうので運用効率はどうしても低下してしまうのデメリットです。
投資信託は配当金なしのタイプを選べばこのデメリットを無くし、効率的に資産拡大が可能です。このあたりはどちらがストレスを感じないか実際に少額で両方始めてみるのも手です。その中で自分のストレスの感じ方を確認してどちらか一方にする、もしくは両方継続するを決めるので十分です。
投資は長期ですから最初の1〜2年は焦らず、じっくりゆっくりいきましょう。
また、慣れてきたら出口戦略からどちらにするか考えて選択するのもありでしょう。
ETFなら配当金が出る特徴から元本を取り崩さずにお金を受け取り続けることが可能です。
投資信託は取り崩していく作業が必要ですが、これも『定期売却サービス』があり、毎月定額または定率or定数で売却していくことも可能です。こちらはページの下の方でで詳しく解説します。
投資に期待しすぎない(結局、一番重要かも)
投資を心地よく継続するために、『リターンを期待しすぎない』ようにと本書で書かれています。
投資家が受け取る株式投資の収益率は経済成長と同等またはプラスαとなる平均3〜7%程度になることが一般的です。
理由としては世界経済の成長率は3〜4%程度で、過去のデータから米国株のリターンが7%ほどであるためです。
これを著しく超えるリターンが続いていたらそれは相場に加熱感あり、そう長くは続かないので一度利益を確定するなどの対策を実施する必要があると考えられると思います。
円安・インフレに備えて主体的に取るべき行動とは?
2022年から円安により多くのモノの値段が上がりました。
日本はエネルギー資源が少なく、食料自給率も低いためにその多くを輸入に頼っています。そのため、円安によって電気・ガスなどの光熱費や食料品の価格が上昇してしまうのです。
こういった円安やインフレにどう備えるべきか説明していきます。
円安・インフレ前に備えることは?
円安に備えるにはまず通貨を分散させておくことが1つの対策です。
例えば、金融資産の半分を米ドル建てで持つようにしておけば、円安の影響は半分に低減することが出来ます。
決して米ドルを現金で保有しなくてはいけないということではありません。外貨建ての資産を持つことでも同じ効果を得ることができます。
次にインフレに備えるために著者は①ゴールドを購入する、②預金やMMF(マーケット・マネー・ファンド)を利用するといった対策を紹介しています。これらを場合によって使い分けましょう。
(1)中央銀行が利上げをするケース(2022年の米国)
⇨①と②ともに有効
インフレが起こると通常は金利が上がります。これは中央銀行がインフレを抑制しようと利上げ(=短期金利が上昇)をするためです。金利が上がるとモノを買いにくくなり、購買意欲が低下、需給バランスの結果としてモノの価格が下がっていくという流れです。実際に米国は2022年からインフレ抑制のために金利を上げ続けてきました。短期金利が上がれば預金やMMFにおいても高い金利収入が得られます。
また、ゴールドはインフレ局面では値上がりする傾向にある金融資産のため対策になります。金価格に連動するETFもあるので、インフレが起こる前に買っておけ備えになります。ただし、実際にインフレがニュースで取り上げられる頃には既に金の価格が上がっていることがあるので買い時には注意が必要です。
(2)中央銀行が利上げを積極的にはしないケース(2022年の日本)
⇨①が有効
現在の日本のように構造的に金利を上げにくい場合、②でリターンを得ることが期待できません。そのため、対策なら①が有効です。
円安時に米国に投資すべきはないのか?
円安時に日本円をドルに換えて米国株に投資したとして、その後に円高になったら損してしまうから買わない方がいいのかしら?
円安時に無理やり米ドルに換えて投資を継続するのは高値づかみとなり、損してしまうのではないか?と心配になるのが普通の感情でしょう。これに対して著者は次のように書いています。
しかし定期つみたてで、長期目線で米国株が成長することに賭けるならば、円安時でも変わらず米国株への投資を続けることが一案です。為替・株式の両面において、タイミングによるばらつきが平準化されます。
経済・精神の自由を手に入れる主体的思考法 #シンFIRE論(穂高 唯希)
米国株へ投資する場合には株価と為替の両方を考える必要があります。
いずれもプロでも予想するのが難しいものです。米国株の将来に成長が期待できると考えているのであれば、タイミングを考えず、素直に「つみたて投資」を継続して円安の影響を小さくしていく方が得策と言えると思います。
円安時にすべきことは?
外貨建て資産を保有していれば、円安時にそれらを部分的にでも円に換えて為替差益を確保しておくのも一案になります。
例えば、円安が2割進んだとき、その増えたうちの半分である1割の外貨建て資産を円に換える、つまりリバランスをして円建て資産と外貨建て資産の比率を一定に保つのもいいと思います。
資産運用の出口戦略とは?
「出口戦略」とは資産運用で増やしたお金を使うために取り崩すことです。
投資をする目的は人生を豊かにすることです。いくら資産を拡大をさせても、ライフイベントやリタイア後の生活費など賄うために活用できなければ本末転倒もいいところです。ここでは「出口戦略」について解説します。
目標達成後に資産運用はどうするか?
運用資産が目標金額に達した場合、著者は次のように行動することをオススメしています。
投資が趣味でないかぎり、多種多様な投資商品を持つよりも1本または数本に絞ったシンプル運用が一案です。手間がかからず、自分の投資状況がわかりやすくなります。具体的には、楽天・全世界株式や全米株式といったインデックスファンドや、ETF(例:VOO)、または高配当株ETF(例:VYM)などを、1本または複数保有し、必要に応じて投資信託やETFを取り崩したり、ETFの分配金を消費にあてることが一案です。
経済・精神の自由を手に入れる主体的思考法 #シンFIRE論(穂高 唯希)
十分に資産拡大し、目標を達成したのであればあとはそれを維持・管理していくフェーズに移行していく必要があります。
その際は管理がシンプルになるように個別株であれば厳選していく、または1つで複数の銘柄に投資ができる投資信託やETFに切り替えていくことを考えていくと良いでしょう。
特に定期的な収入を得るために高配当ETFに切り替えていくというのも良いアイデアだと思います
「定額法」と「定率法」どちらで取り崩すか?
資産を取り崩す方法には「定額法」と「定率法」の2種類の方法があります。
定額法 | 定率法 | |
メリット | ・取り崩す額が株価に よって変動しない | ・株価変動による取り崩し額 が自動調整される ・将来の保有口数が計算できる |
デメリット | ・株価変動による 取り崩し額が 自動調整されない | ・取り崩す額が株価に よって変動する ・株価下落時は、上昇時より 取り崩す額の変動が大きくなる |
向いている人 | ・取り崩す額が株価に 左右されず、定額にしたい | ・取り崩す額が株価に 影響されない ・株価が下がった月は 取り崩す額が減り、 上がった月に取り崩す額が 増える仕組みにしたい |
(本書から引用して作成)
定額法はその名のとおり定額で取り崩していきます。こちらはイメージしやすいと思います。
定率法は保有資産に定率をかけて取り崩す方法です。元本の多い初期に多く取り崩し、徐々に額が減るのが1つの特徴です。
また、取り崩す額が株価によって自動調整する機能が働くという特徴もあります。定率なので株価が下がったときは少なく、上がったときには多く取り崩すようになります。
株価が下がった時の売却額を少なくしたい人には定率法が向いていると思います。
【まとめ】学べる3つのポイント
本書のポイントをおさらいします
【本書の3つのポイント】
- 長期的に続けやすいストレスフリー投資をやろう!
- ネット証券で毎月自動の「定期つみたて投資」を設定してストレスフリーで投資を継続することを考えよう
- 配当金が欲しい人→ETF、資産拡大重視の人→投資信託 でOK!
- 投資に期待しすぎない(投資家が受け取る株式投資の収益率は経済成長と同等またはプラスαとなる平均3〜7%程度になる)
- 円安・インフレに備えて主体的に取るべき行動とは?
- 円安に備えて①ゴールドの購入、②預金やMMF(マーケット・マネー・ファンド)の利用を検討しよう
- 米国株の将来に成長が期待するなら、タイミングを考えずに素直に「つみたて投資」
- 外貨建て資産を保有していれば、円安時にそれらを部分的にでも円に換えて為替差益を確保するのも一案
- 資産運用の出口戦略とは?
- 十分に資産拡大し、目標を達成したのであれば、投資信託やETFに切り替えて管理をシンプルにしよう
- 取り崩す方法には「定額法」と「定率法」の2種類の方法がある
いかがだったでしょうか?
これ以外にもFIREを目指す人に対して穂高さんが考える『主体的を高める7つの思考法』も紹介されております。本書を手元に置いて、「FIRE」に対する考え方を身につけていきましょう!
本は1回読んでも全て理解するのは難しいです。だから私も定期的に読み返しています
*実際の投資は自己判断でよろしくお願いいたします。
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